米Open Invention Network(OIN)は米国時間2008年12月9日,Linuxに関する特許係争を防ぐための新たな取り組み「Linux Defenders」を開始すると発表した。開発した技術の情報を先行技術として開示することで,関連特許を他社に取得されるのを防ぐのが狙い。

 技術情報の収集には,Wiki風のモデルを利用し,オープンソースコミュニティの積極的な参加を募る。ソフトウエア開発にかかわる個人や組織は,自ら開発した技術や発明について,Webベースのフォームで情報を提出する。OINはこれを取りまとめ,防衛的公開情報として特許情報データベース「IP.com」に登録する。

 こうして公開した情報は先行技術とみなされるため,類似する技術や製品についての特許を他社が取得することはできなくなる。これにより,知的財産などの問題や特許侵害などの係争に巻き込まれる可能性を抑える。

 Open Invention Networkは,Linuxに関する特許の相互利用を管理する組織。2005年に設立され,米IBM,NEC,米Novell,オランダPhilips,米Red Hat,ソニーが出資している。Linux Defendersには,米Software Freedom Law CenterおよびLinux Foundationも協賛している。

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