写真●左からジェイサートの石原章年社長,米Go Daddy GroupのWarren Adelman社長兼CEO,同Business DevelopmentのYong Leeディレクタ
写真●左からジェイサートの石原章年社長,米Go Daddy GroupのWarren Adelman社長兼CEO,同Business DevelopmentのYong Leeディレクタ
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 北米でドメイン名登録の価格破壊を巻き起こした立役者が,SSL証明書を先兵に日本市場に参入する。ジェイサートは2008年12月10日,米Go Daddy Groupと日本市場における協業で合意したと発表。2009年春をめどに,Go Daddy傘下のStarfield Technologiesが発行するSSL証明書を「額面で国内最安,サーバー数無制限で実質的には激安」(石原章年社長)の価格で提供するとぶち上げた。

 国内でのラインナップは,Go Daddyが販売するStarfieldブランドのSSL証明書に準じる。国内でのサービス名は未定。ドメイン認証のみの「Standard」,企業や団体など組織の実在性を認証する「Deluxe」,認証手続きを厳格化したEV SSLの「Premium」に相当する3種類のSSL証明書を提供する計画だ。価格は「2009年3月までに決める」(石原社長)。

 それぞれホスト名/ドメイン名(FQDN)の数に応じた課金は用意するものの,いずれの製品もサーバー数は無制限である。負荷分散装置やサーバーが何台あっても料金は変わらない。FQDN一つに対してサーバー数無制限のSSL証明書は,セコムトラストシステムズなどが提供済みだが,全製品をサーバー数無制限とするのは国内初となる。

ドメイン名登録/ホスティング事業への参入も視野に

 Go Daddyは,SSL証明書以外にドメイン名登録,ホスティングを事業の柱とする。SSL証明書では米VeriSignに次ぐ大手,ドメイン名登録事業者(レジストラ)としては世界シェア1位の座にある。薄利多売でドメイン名を取得するユーザーを引きつけ,同じく競合他社より低価格のホスティングやSSL証明書,各種ASPサービスに誘導するビジネスモデルで勢力を拡大してきた。

 Go DaddyのWarren Adelman社長兼CEOは「これまで北米市場に注力してきたが,2007年にイギリスやオーストラリアに拠点を設けて以来アジア市場への参入機会を伺っていた。まずは価格が高止まりしているSSL証明書で日本市場に参入して風向きを見る」と語る。SSL証明書を突破口とし,「いずれは段階的にレジストラやホスティング・サービスで日本での事業を拡大する」算段だ。