子供向け遊戯施設「アメイジングワールド」を運営するAMAZINGは2008年12月9日、2009年1月から施設の利用者向け本人認証システムを新たに稼働させると発表した。従来の一般的なバーコードを利用したシステムに比べ、入退場時間が3分の1に短縮できるという。SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)型で導入し、利用料は月額で約40万円。これは従来の5分の1に相当する。

 新システムでは「カメレオンコード」という名称の特殊なバーコードを使って本人認証をする。カメレオンコードはソフトベンダーのシフトが持つ技術で、最大8色の2次元の色配列により認証を行う。認識の速さやカメラから数メートル離れた位置でも認識できるなどの特徴がある。具体的には、「カメラの撮影範囲内にある20個のカメレオンコードなら1秒以内に認識が可能」(シフト広報)という。

 AMAZINGは施設の会員証に本人認証用のバーコードを印刷している。従来は一般的なバーコードを利用していたため、入退場では一人ひとりバーコードリーダーで読み込む必要があった。入退場に時間がかかり、混雑時には行列ができてしまった。カメレオンコードに代えることで会員証をカメラにかざすだけで済み、入退場時間を3分の1に短縮できる。

 シフトは以前からカメレオンコードを用いた本人認証システムを販売してきた。ただ、ユーザー企業は専用サーバーを設置しなければならず、自社でサーバー保守要員を用意できない中小企業では導入が難しかった。そこで今回、富士通のSaaSプラットフォームサービスと組み合わせることで、この課題をクリアした。

 同サービスを使えば、サーバーのサイジングから導入、設定、運用・保守を富士通に全面的に任せられる。AMAZINGは使用するID数によって決まる料金を支払うだけでいい。当初は100万IDの使用を予定しており、費用は月額で約40万円。「自社でIT要員を抱えてサーバーを保守するのに比べて無駄なコストはかからない。入退場で行列ができたときの人件費などを考えると、従来の仕組みに比べても5分の1程度の費用」(富士通広報)だという。

 AMAZINGは今後、顧客管理システムの導入も予定している。本人認証と同様に、シフトが開発したシステムを富士通のSaaSプラットフォーム上で動かす。その顧客管理システムおよび現在使っているPOSシステムと、本人認証システムを連携させ、顧客分析やDMの発送の効率化などに利用していく計画だ。