米Salesforce.comは米国時間2008年12月8日,米Googleとの戦略的提携を拡大し,クラウド向けアプリケーション開発支援ソリューション「Force.com for Google App Engine」を提供すると発表した。Salesforce.comの業務アプリケーション・プラットフォーム「Force.com」とGoogleのWebアプリケーション・ホスティング・サービス「Google App Engine」をつなぐことで,全く新しいWebアプリケーションやビジネス・アプリケーションの構築を可能にするとしている。

 Force.com for Google App Engineでは,クラウド・コンピューティング環境でアプリケーションを開発および展開するためのさまざまなツールとサービスを提供する。Google App Engineの開発者コミュニティやライブラリを活用してWebアプリケーションを構築し,Force.comに格納されている企業データと連携させることが可能。

 開発者は,拡張性の高いクラウド環境でプログラミング言語「Python」を使い,Force.comのデータベース,ワークフロー,ロジック機能などと直接やりとりすることが可能。Google App Engine上のアプリケーションが,Force.comのAPIによってForce.comからの読み込みやForce.comへの書き込みを実行するためのPythonライブラリを作成できる。

 また,Force.comのモバイル機能をはじめ,分析,セキュリティ,共有モデル,ユーザー認証,他言語サポート,通貨サポートなどの機能にアクセスできる。

 Force.com for Google App Engineは,Salesforce.comのWebサイトあるいはGoogleのWebサイトで無償で公開している。

 Salesforce.comとGoogleは以前より提携関係にあり,これまで,Salesforce.comのCRMアプリケーション「Salesforce」とGoogleの広告配信サービス「Google AdWords」を統合した「Salesforce Group Edition featuring Google AdWords」(関連記事:セールスフォースとグーグルが提携,アドワーズ機能を搭載したSalesforce Group Editionを発売),Salesforceを使ってAdWordsを管理するサービス「Salesforce for Google AdWords」(関連記事:Salesforce.com,Googleの「AdWords」を管理できるサービスを提供)などを展開している。

 Salesforce.comによると,同社顧客のうち5000社以上が,Google Appsを利用しており,1万社以上がSalesforce for Google AdWordsを導入している。また,Force.comのアプリケーション・マーケットプレイス「Force.com AppExchange」で人気の高いトップ10アプリケーションのうち5つは,Google関連のものだという。

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