米Hewlett-Packard(HP)は米国時間2008年12月8日,デスクトップ仮想化環境におけるUSB接続やマルチメディア再生機能を強化するソフトウエア・スイート「Virtual Client Essentials」を発表した。エンドユーザーが,仮想化したシンクライアントで違和感なくリッチ・コンテンツを利用できるようにする。

 同スイートには,「Remote Desktop Protocol(RDP)Enhancements」と「Remote Graphics Software(RGS)」という2つのプロトコルのほか,仮想マシンとシンクライアントを関連付けて接続を管理するセッション・ブローカ「Session Allocation Manager(SAM)」などが含まれる。

 RDP Enhancementsは,HPシンクライアント上で米Microsoftの「Remote Desktop Protocol」を利用しているユーザーに向けたもの。シングル・サインオンが可能なフルスクリーンのデスクトップ仮想化環境を提供する。ネットワーク上にあるWebキャストや研修ビデオなど,高品質のステレオ・オーディオ付きマルチメディアをリアルタイムで再生できる。また各種USB機器の接続が可能。

 同プロトコルは来年1月より,「Windows XP Embedded」搭載のシンクライアントにプリインストールするほか,無償でダウンロード提供する。Linuxにも2009年前半中に対応する予定。

 RGSは,CADやFlash搭載アニメ,高機能Web 2.0ページなど,よりハイエンドのアプリケーション利用や,コラボレーションを想定したプロトコル。あらゆるマルチメディア形式に対応しており,各種USB機器をサポートする。またHP製に限らず,米VMwareのサーバーやブレード上にあるシンクライアントでも利用できる。

 RGSの利用料金はプラットフォームによって異なり,フローティング・ライセンスが35~199ドル。

 SAMは,仮想リソースを有効活用できるように,エンドユーザーのCPU稼働状況を監視して,ある一定時間,稼働が検出できなければ,ユーザーを接続解除するセッション・タイマー機能を備える。利用料金は1ユーザー当たり69ドルで,同社Webサイトよりダウンロード可能。

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