東洋ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)は2008年12月8日、「MCFrame online 原価管理」を09年1月から提供すると発表した。標準原価の見積もりや実際にかかった原価の計算、原価の配賦、データ分析といった機能をSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)として提供する。同社がSaaSとして主力の生産管理関連のアプリケーションを提供するのは今回が初めて。

 MCFrame online 原価管理は、B-EN-Gが販売する製造業向けERP(統合基幹業務システム)パッケージ「MCFrame」の原価管理機能をSaaSとして提供するもの。ただし「パッケージ版のMCFrameとまったく同じ機能を提供するわけではない」(プロダクト事業本部の小野修司氏)。データ分析機能を加えるほか、サン・マイクロシステムズのシンクライアント化ソフト「Sun Secure Global Desktop Software」を利用して、Webブラウザだけで操作できるようにする。MCFrameは現在、クライアント/サーバー型のアーキテクチャを採っている。

 MCFrameの機能の中から原価管理を選んだのは、「生産管理や販売管理と比較して、他システムとの連携が少ないから」と小野氏は説明する。加えて生産や販売管理と比較すると「原価管理は他社との差異化要因になりにくく、大規模なカスタマイズの必要がない」(同)との見込みもあった。

 生産管理システムなど他システムとCSV形式でデータ連携もできる。「ユーザー企業はCSV形式のデータを用意しておけば、MCFrame online 原価管理にアップロードできる。MCFrame online 原価管理による処理結果をCSV形式で出力して、他システムで利用することも可能だ」(プロダクト事業本部技術部の荒川尚也部長)という。

 価格は標準月額料金で12万円から。契約は最低2ユーザーからとなる。導入時に別途、登録手数料10万円が必要。このほか導入前に「導入診断サービス」と「導入支援サービス」を提供する。

 導入診断サービスは、導入を検討している企業がMCFrame online 原価管理の利用イメージを把握できるようにするのが狙い。1日のヒアリングを実施するとともに、MCFrame online 原価管理の機能を説明する。導入支援サービスは2カ月間で、要件定義やマスター設定作業などを支援する。導入診断サービスが20万円、導入支援サービスが220万円から。

 プロダクト事業本部マーケティング部の中村正文部長は、MCFrame online 原価管理を「表計算ソフトを利用して簡易に原価を計算するなど、これまで原価管理を本格的に実施していなかった中堅の中でも小規模な製造業を対象に販売していきたい」と話す。販売目標は1年で30社、3年で累計100社。当面はB-EN-Gが直に販売する。