anyWarp CodeDirector V5.2
anyWarp CodeDirector V5.2
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 日立ソフトウェアエンジニアリング(日立ソフト)は,プロジェクト管理ソフトの一種として,Java言語のコーディング規約違反をチェックしてソフトウエア品質を高めることを目的としたソフトの新版「anyWarp CodeDirector V5.2」を,2008年12月10日に販売開始/出荷する。複数会社や複数チームが混在する開発プロジェクトに向く。価格は,最小構成となる10ユーザー版が100万円(税別),最大構成の100ユーザー版が600万円(同)など。

 anyWarp CodeDirectorは,Javaソースコードの品質検査ソフトである。ソースコードのコーディング規約違反を自動的に検出することによって,人手によるレビュー工程(文書やソースなどの成果物を他人に見せることで完成度を高める作業)にかかるコストを削減する。プロジェクト・マネージャやソース/ライブラリ管理者,開発責任者,コーディング担当者などのプロジェクト・メンバーが,異なる企業にまたがっている開発プロジェクトなどにおいて,ソフトウエアの品質を高めるのに役立つ。

 コーディング規約の診断方法は2つある。1つは,自動診断機能である。anyWarp CodeDirector自身が,あらかじめ決められたスケジュールに則って,CVSやVisual SourceSafe,Subversionなどのバージョン管理システム(ソフトウエア構成管理ソフト)からソースコードを抽出して診断する。診断結果はWebレポートとして生成できる。ディレクトリの違いによる開発会社や開発者別などソースの属性に応じた品質の差異などもわかる。

 もう1つは,開発者(コーディング担当者)が,自分が書いたソースコードを診断する機能である。統合開発環境のEclipseの環境内からanyWarp CodeDirectorを呼び出して利用する。違反個所のハイライト表示も可能である。このためのEclipseプラグインを提供している。

 今回の新版では,コーディング規約違反の検出ルールとして,新たに31項目のルールを追加した。追加ルールとしては例えば,次のようなものがある。(1)「nullとわかっている値を含む条件式」では,条件式を誤って結合したために値がnullの変数を参照して実行時にエラーが発生するバグを指摘する。(2)「リソースのクローズ処理が抜けている可能性」では,クローズ処理が漏れていることにより,リソースが開放されずにメモリー・リークなどを引き起こすバグを指摘する。(3)「StrutsのActionクラスにフィールドを定義している」では,マルチスレッドへの考慮がないために,同時アクセスしているHTTPリクエストが値を共有して別人に成りすませるバグを指摘する。

 anyWarp CodeDirectorの稼働OSは,Windows 2000/XP,Windows 2000 Server/Server 2003。なお,ライセンスはユーザー数ライセンスを採用した。集計レポートを閲覧するソースコード管理者の数と,Eclipse経由で自身のソースコードを検査する開発者の数を合わせたものがユーザー数となる。