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 米クレイからセールス・マーケティング担当のイアン・ミラー シニアバイスプレジデント(写真)が来日。同社が発表したスーパーコンピュータの新製品「CRAY CX-1」の販売戦略などについて聞いた。CX-1は、企業の部門単位での導入を狙った、いわば“パーソナルスーパーコンピュータ”だという。マイクロソフトのOSである「Windows HPC Server 2008」を搭載し、金融シミュレーションやデジタルコンテンツ関連といった新しい市場を開拓していく。主な内容は次の通り。

■パーソナルスーパーコンというと、大型スーパーコンのエントリーマシンの印象を与えるかもしれないが、CX-1はこれまで当社が取り組んできたスーパーコンのハイエンド市場とは異なる分野に売り込むことが狙い。例えば、小規模企業や大手の部門向けの市場にチャレンジしていく。研究所のような特別な施設ではなく、普通のオフィスで使えるようにするため、いろいろな工夫を盛り込んでいる。

■本体を小型にしたほか、価格では350万円からと低価格にした。さらにオフィスでの用途を考慮して100ボルト電源でも使えようにしたり、稼働音を静かにするためアクティブノイズキャンセラーの技術も活用したりしている。マイクロソフトのWindows HPC Server 2008を採用し、Windowsソフトも使える。マイクロソフトも当社も本社は米シアトル市にあるので、頻繁にコミュニケーションして、互いの要望を組み込んだ。

■新しい市場に売り込むため、CX-1ではチャネル販売を重視している。パートナー企業も自社のストレージやソフトと組み合わせてソリューションを提供できるようになるだろう。当社からも技術やセールス面でパートナー企業をサポートしていく。私はITベンダーで長年、リセラービジネスを担当してきたので、パートナー対応は心得ていると自負している。パートナー企業が安心して販売できる環境を整備していく。

■スーパーコン市場全体は成長しているものの、ハイエンド分野は伸び悩んでいる。我々がCX-1で開拓していく分野は、これから成長が期待できるので、パートナー企業といっしょに新しい市場を作っていきたい。