オンライン百科事典「Wikipedia」を運営する非営利団体のWikimedia Foundationは米国時間2008年12月3日,米CBS社長を25年間務めたFrank Stanton氏が設立したStanton Foundation(スタントン財団)から,89万ドルの寄付を受けたと発表した。この寄付金は,Wikipediaのユーザビリティ改善に使われる。

 具体的には,Wikimedia Foundationのサンフランシスコ・オフィスに,フルタイムのソフトウエア開発者3人,ユーザー・インタフェースのデザイナ1人,プロジェクト・マネージャ1人からなるプロジェクト・チームを設ける。このチームは,Wikipediaの初心者が記事を執筆・編集する際に障壁となる問題を調査し,明らかになった課題の解決に取り組む。

 特に,執筆・編集で必要性の低い複雑な要素をユーザー・インタフェースから取り除くことに注力する。このプロジェクトは2009年の終わりまで続ける予定で,最終的な成果はすべてオープンソース・ソフトウエアとして公開する。

 Wikimedia Foundation執行ディレクタのSue Gardner氏は,「Wikipediaの記事執筆者の多くはテクノロジに関して平均以上の知識を有している。しかし,世の中にはテクノロジに疎くても,聡明で博識な人がたくさんいる。今回のプロジェクトの一番の目的は,そうした人々に執筆・編集作業に参加してもらうことだ。スタントン財団がこの重要性を認識し,Wikimedia Foundationを支援してくれていることを,たいへん嬉しく思う」と述べた。