米Microsoftは2008年12月第1週,感謝祭(11月第4木曜日)翌日の「ブラック ・フライデー」を含む週末3日間(米国のホリデー・シーズンは事実上この時期から始まる)に販売したゲーム機「Xbox 360」の台数が,ライバル製品であるソニーの「PLAYSTATION 3(PS3)」の3倍に達したと発表した。2007年の同時期と比べても,販売台数は25%増えているという。

 Microsoft上級副社長のDon Mattrick氏は「Xbox 360は,同じ価格帯のゲーム機よりも多くのソーシャル・エンタテインメント的要素を備えている。そのため,ブラック・フライデー期間の売り上げ見通しについては,慎重でありつつ楽観的に考えていた。米国のブラック・フライデー期間における記録的な販売台数,全世界で2500万台売れた実績,ユーザー数1400万人以上のオンライン・コミュニティ「Xbox LIVE」は,世界中で2009年も好調な販売が続く材料となる」と話す

 もちろん「一番人気の『Wii』で任天堂が圧倒的な成功を収めたことで,Xbox 360の苦戦が続いている」などといったことを,Microsoftはおくびにも出さない。Wiiは,2008年中にXbox 360とPS3を合わせたよりも多く売れた時期がある。Microsoftは2008年になってから,Wiiに対抗するために任天堂の戦略を模倣し,様々なカジュアル・ゲームとゲーム以外のエンタテインメント・コンテンツを展開し始めた。最近ではXbox 360用ユーザー・インタフェース(UI:別名ダッシュボード)も刷新し,Wiiユーザーの作るキャラクタ「Mii」と瓜二つのマンガ的なアバターを導入した(関連記事:Microsoft,「Xbox 360」のUIとアバターを刷新)。

 Microsoftは「景気後退局面にある現在,ゲーム機用のゲームやエンタテインメントは利益が大きい」と主張している。同社が先ごろ発表した調査結果によると,「米国におけるゲーム・ユーザーの多くがホリデー期間中どこにも出かけず家にいる計画」という。つまり,Microsoftは,自社が「休暇中に自宅で過ごし,居間で家族とテレビやゲームを楽しむような消費者から収益を上げられる特別な立場にいる会社」と言いたいのだ。

 Microsoftの発表文には,次のようにある。「多くの家庭は,ホリデー・シーズンを居間で過ごし,安上がりな娯楽を探す。200種類以上ある『E(EVERYONE)』(6歳以上用)および『T(TEEN)』(13歳以上用)レーティングの家庭向けゲーム,テレビ番組の視聴,米Netflixによる映画のストリーミング配信サービスなど,Xbox 360は家族の全員が楽しめる」(関連記事:MicrosoftとNetflix,「Xbox 360」向けの映画配信サービスで提携)。

 量販店「Best Buy」でWiiの品切れが続いている状態なら,Microsoftのこの主張は正しい。