日本デジコムは2008年12月1日,第4世代インマルサット衛星(Inmarsat-4)の再配置のため,同衛星を利用した衛星ブロードバンド・サービスが一時的に利用できなくなると発表した。
対象となる衛星ブロードバンド・サービスは,陸上向けの「BGAN」(broadband global area network)と海上の船舶向けの「FB」(fleet broadband)。サービスが利用できなくなる期間は2009年2月6日~24日である。
今回の再配置は,8月に打ち上げられた3号機(F3)と,既存の1号機(F1)および2号機(F2)の合計3機で全世界をカバーするために実施される措置である。従来は,東日本を含む太平洋はカバーされていなかったため,衛星ブロードバンドが使えなかった(図1)。
新たに打ち上げられた3号機はアメリカ大陸全体をカバーする。今回の再配置では,3号機の打ち上げに伴い,既存の2機の衛星が東に移動する。
まず,大西洋をカバーする2号機(F2)が東に移動し,欧州,アフリカ,中東をカバーするように配置される(図2)。この作業は2009年1月7日~2月2日に実施される。この期間は,アイスランド,アイルランド,英国,グリーンランド,アフリカ大陸西部の一部,大西洋の一部で衛星ブロードバンドが利用できなくなる。
続いて,欧州,アフリカ,アジア(西日本を含む)をカバーする1号機(F1)が東に移動し,日本全域を含む太平洋をカバーするように配置される(図3)。この作業は2009年2月6日~2009年2月24日に実施される。この期間は,日本(今利用できる西日本が対象),ロシア中央部,中国,韓国,北朝鮮,東南アジア全域,オーストラリア,東シナ海,インド洋の一部で利用できなくなる。
今回の移行措置が終わる2009年3月には,日本全土を含むほぼ全世界で第4世代インマルサット衛星による衛星ブロードバンド・サービスが利用できるようになる(図4)。
なお,第3世代以前のインマルサット衛星を使った通信サービスは,今回の再配置の影響を受けずに継続して利用できる。
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