米Microsoftの研究者が,「cyberchondria(サイバー心気症)」と呼ばれる不思議な病気の原因を調べている。この病気は,体の不調を訴える人が情報を集めようと,インターネット検索エンジンから「ググる」(Googleで検索する)ことで発症する。同社によると,多くの人々が検索エンジンの不思議な影響で心気症に陥り,頭痛やそのほかのありふれた症状を,がんなどの深刻な病気と疑うようになるという。

 こうした症状の存在は筆者も認めるし,恐らくたくさんの事例があるのだろう。ここでは,個人的な経験を簡単に紹介しておきたい。

 筆者が数年前にコロラドを旅行した際,奇妙な疲れとめまいを感じた。ひどい発熱で夜もよく眠れず頭痛にも悩まされた。そこで,ググってみることにした。すると,その晩のうちに診察を受けないと死に至りかねない高地肺水腫(HAPE)を起こしたことになってしまった(後日,医者に聞いたところ,HAPEは筆者が置かれていたよりも低い酸素濃度の環境でないと発症しないし,昏睡状態に陥って死んでしまう病気だという)。

 常に監視されていると感じてしまう妄想症(パラノイア)と同様に,具合がよくないと感じた場合も慎重に行動しよう。