11月30日午前、日本航空の運航業務システムでトラブルが発生。羽田空港の国内線と成田空港の国際線、計30便が最大で49分遅延し約4500人の足に影響が出た。トラブルを起こしたのは、運航業務システム「JALFOS」のうち航空機の重心を計算する機能。旅客や貨物の状況によって異なる重心を算出し、離陸時などの参考データにする。

 システムは30日午前8時35分にダウンし、復旧までの2時間は担当者が手作業で計算した。さらに通常ジャンボ機であれば無線で計算後のデータを送信しているが、これも不能に。係員が広い空港内を駆け回り、データを手渡しすることになったため出発便が遅延した。

 原因は26日に実施した同システムの更新で作り込まれた。具体的には、より詳しい情報が得られるよう、新たなデータを追加で扱うように機能を拡張。30日になってデータの処理に予想以上の負荷がかかりダウンした。「システムの領域を拡張することで、完全に復旧した」(日本航空)という。設計時にデータベースサーバーのテーブル領域もしくは割り当てるサーバーの処理能力を、必要なものより低く見積もってしまったとみられる。