経済産業省は、行政CIOの責任、ミッション、権限などについて定義したレポートを2009年3月をめどにまとめる。先進自治体のCIOをメンバーとして10月にスタートした「行政CIOフォーラム」での議論などを通じて内容を検討していく。

 行政CIOの役割や権限は、現在のところ自治体によってバラバラだ。経産省商務情報政策局情報経済課長の前田泰宏氏は「行政の情報化は、具体的な成果目標と評価体系が不十分だった。PDCAサイクルにおける“後工程”であるC(チェック)とA(アクション)の部分が弱い。責任、ミッション、権限などCIOの役割を明確にすることで、この“後工程”の部分が進めやすくなる」と説明する。

 経済産業省では、民間と行政のCIOの交流も進めていく。来年3月ごろに民間と行政のCIOを100人程度集めてのコミュニティを作る計画だ。経済産業省では、2007年11月から本年5月までの間で計11回、先進的なIT経営実践企業のCIOを集めた会合の場として「CIO戦略フォーラム」を開催、その成果を「IT経営ロードマップ」にまとめて公開している(発表資料)。前田課長は「CIOの業務に関しては官民に大きな違いはないのではないか。『行政には行政のやり方がある』ということはないと考えている。民間と行政のCIOが情報交換や議論をする場を作っていければ」と語る。