通信/IT/デジタル・メディア分野のコンサルティングを手がける英Analysys Masonは英国時間2008年11月27日,2008~2015年の無線通信利用に関する調査結果を発表した。同調査によるとデータ通信量の急激な増加により,先進国のトラフィック量は2015年には現在の10倍に拡大するという。

 同社は先進国の無線ネットワーク・トラフィックが急増する主な要因として,USBモデムやスマートフォンなど携帯機器の性能向上,3G(第3世代)テクノロジやフェムトセル(Femtocell)の普及・拡大,サービス料の値下げ,携帯機器の屋内使用の増加,Webコンテンツの容量増大を挙げている。

 同調査報告書の作成に携わったMark Heath博士によると,2015年には先進国のユーザーが世界携帯電話市場に占める割合は25%まで縮小するが,先進国のトラフィックが全世界の無線ネットワーク・トラフィックに占める割合は65%になる。同氏は,「先進国では最新の携帯機器の普及率が高いことに加え,スループットが向上したLTE(Long Term Evolution)など高度なテクノロジが早い時期に導入されるからだ」と説明している。

 先進国の携帯電話ユーザー1人当たりの無線ネットワーク・トラフィック使用量は,2015年には現在の8倍に増加し,1カ月当たり455Mバイトに達する。また,データ通信が無線ネットワーク・トラフィック全体の94%を占めるようになる。

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