経済産業省は2008年11月27日、「情報システム・ソフトウェアの信頼性及びセキュリティに関する研究会」の第1回を開催した。同研究会では信頼性とセキュリティを包括的に取り上げ、現状の課題とあるべき姿を検討。国家施策の進むべき方向性を定める。研究会は情報サービス産業協会(JISA)会長の浜口友一氏を座長に、ユーザー、ベンダー、学識者など約20人の委員で構成する。

 同研究会の配下に「信頼性ガイドライン」「モデル契約書」「電子認証に関するガイドライン」など、これまで取り組んできた施策の推進組織を位置付ける。研究会で定めた方向性を各個別施策にフィードバックし、個別施策同士での整合性を高める。

 例えば「重要インフラ情報システム信頼性研究会」で定めようとしているシステムの信頼性指標に、ソフトウエアメトリクスや非機能要求グレードをどう関連付けるかなどを定義する。個別施策をバラバラに進めた場合と比べて実行性を高める狙いだ。

 研究会の配下に置く、個別施策のテーマは合計八つ。信頼性評価手法、取引適正化、共通認識支援ツール、重要インフラ、メトリクス高度化、ソフトウエア適合性評価、システムLSIセキュリティ評価、電子認証である。

 第1回の今回は、これまでの個別施策を総括し、その上で現状の課題を洗い出した。「日本の信頼性レベルは高い。そのレベルを証明し、さらに向上させるためにも信頼性を測る評価尺度を策定して世界に提唱していくべき」「複雑な要件のまま仕様を策定するから信頼性の担保がしづらくなる。要件定義以前に業務を簡素化させる重要性を広く認知させることが信頼性向上につながる」などの議論が起きた。

 研究会は09年3月までに合計4回を予定している。第4回で中間報告書を作成する。