KDDIと沖縄セルラー電話は2008年11月25日,au携帯電話の一部機種で料金の誤請求が判明したと発表した。携帯電話のソフトウエアの不具合が原因で,実際には利用していないにもかかわらず,パケット通信料と「au.NET」の月額利用料を請求していたケースがあったという。対象は1万6851回線で,2006年9月21日から2008年10月31日までの間に誤請求した料金の総額は1672万543円。

 au.NETは,パソコンやPDA(携帯情報端末)にau携帯電話やデータ通信カードを接続してインターネットにアクセスできるサービス。事前の申し込み手続きは不要で,利用月だけ945円の利用料とパケット通信料を請求する。請求書には「au.NETのご利用料金」と表示しているという。

 一部機種で見つかった不具合は,特定の条件でau携帯電話からパケット通信を利用した際に,ネットワーク設備へ誤った接続情報を通知してしまうというもの。具体的には「EZニュースフラッシュ」をはじめとしたBCMCS(Broadcast/Multicast Services)サービスのデータを受信した後に,基地局と端末の間のセッションがうまく完了しない不具合があったという。この状態でユーザーがEZwebのメールやコンテンツを閲覧すると,「別の不具合が原因でau.NETに接続したと記録されるケースがあった」(KDDI)という。このため,パケット通信料だけでなくau.NETの月額利用料もユーザーに請求された。

 不具合が判明したのは10月22日。社内の端末検証試験の過程で気付き,不具合の原因や対象範囲を特定して対策を決めるまでに約1カ月かかった。対象機種は,カシオ計算機,日立製作所,パナソニックモバイルコミュニケーションズの3社製の以下の14機種。「W43CA」「W51CA」「W52CA」「W53CA」「W61CA」「W43H」「W43HII」「W51H」「W52H」「W53H」「W61H」「W51P」「W52P」「W61P」である。

2009年春までに誤接続情報を遮断するように設備を改修

 誤請求したユーザーにお知らせとお詫びの書面を送り,2008年12月(2008年11月利用分)の請求金額から誤請求分を減額する。解約したユーザーに対しては送付した書面で返金方法を案内する。

 今後の対策としては,誤った接続情報をネットワーク側で遮断する改修を実施,2009年春までに完了する。それまでの間は,au携帯電話からのパケット通信のうち,今回の事象と同様の条件で発生した「au.NET」の通信料を無料とみなす処置を講じる。このほか,不具合のあるソフトウエアをauショップやPiPitでバージョンアップできるようにする体制を12月下旬までに用意する。

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