富士通は2008年11月20日、XBRL(拡張ビジネス・レポーティング言語)データを処理するためのミドルウエア「Interstage XWand」の新版を発表した。企業が財務報告でXBRLを利用する際、書類を提出してから提出先機関の承認を得るまでの時間を短縮できるのが特徴だ。国内では2009年1月末に、海外では同2月末に出荷を開始する。

 財務報告をXBRLで作成する場合、各項目間の計算式の記述仕様をあらかじめ定めておいて、提出企業と提出先機関とで共有する。従来は提出企業の記述ミスなどについて提出先機関が電話で修正依頼をしていた。新版の「XWand V10」では「提出先機関での検証が必要ないため、承認にかかる時間を最大で50%短縮、人件費も最大40%削減できる」(富士通の斉藤一実アプリケーションマネジメント・ミドルウェア事業部計画部プロジェクト課長)という。

 Excelで作成したデータを、XBRLに変換できるようにしたことも特徴の一つ。従来は、「企業から財務諸表作成の依頼を受けた事業者が、Excelのデータを手作業でXBRLに打ち直していた」(富士通の斉藤課長)。

 富士通はXBRLの標準化組織である「XBRLコンソーシアム」に参加するなどXBRL製品の開発に力を入れている。今年3月に運用を始めた金融庁の有価証券報告などの電子開示システム「EDINET」や、今年7月に稼働した東京証券取引所の適時開示情報電子開示システム「TDnet」など、XBRL対応のシステムが富士通製品を採用している。

 Interstage XWandは、XBRLを利用したアプリケーションを開発するための「XWand Developer」、開発したアプリケーションをサーバーで運用するための「XWand Server Runtime」、アプリケーションをクライアント単体で動作させたり、XBRLデータを作成するための「XWand Personal Runtime」の3つから成る。対応OSはServer RuntimeがWindows Server 2008/2003、DeveloperとPersonal RuntimeがWindows Vista/XP。

 販売価格は、Server Runtimeが500万円から、Personal Runtimeが22万円、Developerが50万円となっている。