写真1●Symbian Foundationのリー・ウィリアムズ エグゼクティブ・ディレクター
写真1●Symbian Foundationのリー・ウィリアムズ エグゼクティブ・ディレクター
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写真2●Symbian Foundationを支援する企業は全59社に増えた
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 携帯電話で使われる「Symbian OS」のプラットフォーム統一を目指す組織「Symbian Foundation」は2008年11月20日に会見を開いた。その席で,来日したリー・ウィリアムズ エグゼクティブ・ディレクターが統一化に向けた同組織の取り組みと将来展望を示した。2009年上期には統一化したOSの配布を開始。2010年にはOSのオープンソース化を進めることで,携帯電話事業者,メーカー,ソフトウエア開発者などの幅広い企業の参入を促す。

 「日本は世界で最も進んだモバイル市場。LTEも世界で一番に開始されるだろう」とウィリアムズ氏は,日本市場の重要性を強調。日本の消費者は端末の性能や品質に対する要求が高いため「Symbian OSが日本のニーズを満たせば,世界中のどこでも成功する」(ウィリアムズ氏)として,日本での取り組みを強化する考えを示した。日本での累計出荷台数は2008年9月末で4000万台を突破したと言う。同組織に支持を表明している企業は,全世界で59社。国内ではソフトバンクモバイル,ルネサス テクノロジ,管理工学研究所が新たに加わったと発表した。

 現在,Symbian OS上に構築されるアプリケーション・プラットフォームとしては,ノキアの「S60」,モトローラおよびソニー・エリクソンの「UIQ」,NTTドコモの「MOAP(S)」の三つがある。2009年上期にはこれらを統合し新たなプラットフォームを提供開始する。この新しいプラットフォームは,「S60のユーザー・インタフェースや機能で構成し,次の段階としてS60が備えていない機能はMOAP(S)やUIQから取り込む」(ウィリアムズ氏)とS60を機軸に据える方針を説明した。Symbian OS用開発ツールとしてはノキアが「Carbide」を公開している。2010年にはオープンソース化して,パブリックライセンスとして公開する。

 ソフトウエアの開発効率を高めるためWebKit,Silverlight,OpenJava,Qt(キュート)といった各種アプリケーション実行環境の対応を進める。「簡単にリッチでグラフィカルなソフトウエアを開発しやすくなり,開発者,事業者,端末メーカーが差別化しやすくなる」(ウィリアムズ氏)という効果を期待する。