写真●デルのジム・メリット代表取締役社長
写真●デルのジム・メリット代表取締役社長
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 「ITの複雑性はITイノベーションを妨げる。我々の使命はITをよりシンプルにしていくことだ」--。デルのジム・メリット代表取締役社長(写真)は2008年11月20日,同社が主催するTHE FUTURE OF COMPUTING TOKYOで基調講演に登壇した。そこで,「シンプル化で拓くITの未来」と題して,同社の考えるITの未来像を語った。

 ジム・メリット氏が指摘したのは,複雑なITシステムにより,企業のIT予算の70%がメンテナンスに充てられているとうい現実である。そして,限られた予算の中でITイノベーションを起こすためには,「ITシステムをシンプル化し,メンテナンス費用を圧縮する必要がある」(ジム・メリット氏)と強調した。

 ITシステムをシンプル化するためには,「迅速な導入」,「運用・保守の簡素化」,「スマートな拡張性」の3つを実現しなければいけないとジム・メリット氏は主張する。同氏によると,この3つの課題を克服するためのサービスの一例として,デルが提供する「カスタムファクトリインテグレーション」を紹介した。

 カスタムファクトリインテグレーションとは,PCにユーザーの環境に合わせたディスク・イメージをプリインストールして,設定を完了した状態で出荷するサービスだ。ユーザーは新規システムの構築にかかる労力・時間・コストの大幅削減できる。また,同じディスク・イメージを使って複製したクローン・マシンを一括購入できるため,運用・保守が簡素化される。ユーザーのニーズに合わせてカスタマイズできるため,企業の成長に合わせて段階的にシステムを拡張することもできるという。「ITのシンプル化により,未来のPCは“モバイルへ”,“グリーンへ”,“仮想環境へ”と変化する」(ジム・メリット氏)とPCの未来を予測した。