2008年11月19日(米国時間)以降,米Microsoftのゲーム機「Xbox 360」の「Xbox Live」システムにログオンすると,ユーザー・インタフェース(UI:別名ダッシュボード)にこれまでで最大規模の変更が施される。「New Xbox Experience」と呼ばれる今回のアップデートにより,Xbox 360内やオンライン・コンテンツを操作するためのUIが一変する。残念なことに,アバターは任天堂の人気ゲーム機「Wii」に登場するキャラクタと似た子供じみたものになってしまう(関連記事:Microsoft,「Xbox 360」のネットワーク機能を11月に刷新)。

 Microsoft上級副社長のDon Mattrick氏は「未来のホーム・エンタテインメントはXbox 360が決める」としている。「Xbox 360でオンデマンド,ハイビジョン映像,常時オンライン,オールインワンといった機能を提供し,この分野の流れを変える。エンタテインメント界の大手企業の支援を受け,業界で最大規模のラインナップをそろえる」(Mattrick氏)

 New Xbox Experienceはゲーム用UIを改善するが(結局のところ,Xbox 360はゲーム機から脱却していない),新機能の多くはゲーム以外のエンタテインメント分野に着目しているようだ。新UIにより,米Netflixのオンライン映像ストリーミング・サービス,最大7人が参加できる仮想パーティ機能「Xbox LIVE Party」,オンライン環境でユーザーの化身となるカスタマイズ可能なマンガ的アバターが使えるようになって,オンライン・コンテンツ販売サービス「Xbox LIVE Marketplace」で1万2000タイトル以上の映画/テレビ番組が楽しめる(関連記事:MicrosoftとNetflix,「Xbox 360」向けの映画配信サービスで提携)。

 新しいアバターは,Wiiのキャラクタ「Mii」を非常に意識したデザインとなる。WiiはXbox 360に及ばない貧弱なハードウエア構成だが,販売台数ではXbox 360を大きく引き離している。たとえば,Microsoftは「Xbox 360の累積販売台数が2008年末までに2500万台となり,初代ゲーム機「Xbox」の総販売台数を上回る」と喧伝している。ところが,任天堂のWiiは2008年9月末時点で3500万台だ。しかも,Wiiの市場投入はXbox 360より1年も遅い(関連記事:Microsoft,米国でも「Xbox 360」を値下げ)。

 Xbox 360の新アバターは,オンライン環境でほかのユーザーの目に触れる。Microsoftは,マンガ的なキャラクタの出てくる「A Kingdom for Keflings」や「UNO」といった特別なアバター対応ゲームも開発した。アバターは,仮装パーティやオンライン・チャットでも使う。