北九州市の宮下氏
北九州市の宮下氏
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 2009年度中にも総合窓口の導入を計画している北九州市は、11月18日に都内で開催された「ローカルガバメントCIOフォーラム」(主催:日本オラクル)で、その進ちょく状況を明かした。北九州市総務市民局情報政策室情報システム再編担当課長の宮下一万太氏が、同市の基幹系システム再構築についての講演の中で語ったもの。

 北九州市では2010年度に次期基幹系システムを全面稼働させる計画だ。総務省や全国地域情報化推進協会(APPLIC)が推進する「地域情報プラットフォーム」の仕様とできるだけ歩調を合わせる形で開発が進んでいる。このときに統合データベースを構築し、複数業務における共通情報の共有、複数業務間のシステム連携を実現させ、7つある区役所窓口でプッシュ型ワンストップサービスの実現を目指している。

 プッシュ型ワンストップサービスとは、窓口職員が住民に対して、「市役所にどんなサービスがあるのか」「何を申請すべきか」などを知らせて、その場でその住民に必要な手続きをまとめて処理するというもの。「インテリジェント型総合窓口サービス」と呼ばれることもある。事前に個人情報利用の許可を得た上で、窓口に訪れた住民に必要な手続きの自動判定などをデータ連携により実現。申請、交付だけでなく、審査、入力、異動など申請業務の処理すべてを窓口端末のみで完結させるというもの。これにより住民満足度向上と業務効率化の両方が見込める。

 宮下氏は「300~400くらいの業務を総合窓口で担当したいと考えていたが、スタート当初は200弱程度になりそうだ」「現在設置している自動交付機は、休日・夜間対応を中心に考えられているが、総合窓口では証明書取得の場面で積極活用する」など、検討中の総合窓口サービスの一端を説明。さらに、プラットフォームを活用して「民間サービスを起点とする行政サービスの提供形態や、Webサイトではなく窓口起点の“市民ポータル”も考えられるのではないか」と、ITを活用した将来の行政サービスのあり方について語った。