写真1●松本雅史 代表取締役兼副社長執行役員
写真1●松本雅史 代表取締役兼副社長執行役員
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写真2●2008年6月から中国で携帯電話の販売を開始した
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 「今後は海外における携帯電話の販売台数を国内以上の台数に持っていく」。シャープの松本雅史 代表取締役兼副社長執行役員は,2008年11月19日に開催した携帯電話の発表会で,中国を中心とした海外での販売を強化する方針を示した。販売方法の変化による価格の上昇や買い替えサイクルの長期化で国内市場は低迷。大幅な伸びは期待できない。海外展開の本格化で販売増に向けた活路を開く。

 同社は,2008年6月から中国で「AQUOS」ブランドをつけた携帯電話の販売を開始,欧米ではスマートフォンも販売している。9月には海外事業を推進する事業本部も新設し,事業のスピード化を図る。海外での販売台数は約200万台で,同社の販売台数の中で約16%を占める。今後は中国の販売店を強化するなど海外での販売台数を増やし,同社の中で海外販売の比率を高めていく。

 不振が続く国内市場について,同社による2008年度国内台数の予想値は3800万台。2007年度の約5000万台から2割以上の大幅な落ち込みとなる。「市場は縮小しているが,活性化するのがシャープの使命」(松本副社長)として,大型の高精細液晶,タッチパネル,高画素CCD採用のカメラなどで訴求し,国内シェア1位の維持を狙う。

 米グーグルの携帯電話プラットフォームAndroidについては,携帯電話事業者から「商品を供給して欲しいという要求も出てきている。OSを固定せず,選択肢の一つとして考えたい」(松本副社長)と積極的な姿勢を見せた。