英国ロンドンにある国民保健サービス機関のBarts and The London NHS Trustは現地時間2008年11月18日,管轄のコンピュータ・システムがウイルスの侵入を受けたことを明らかにした。
ネットワーク・アクセスの復旧に取り組みつつ,マニュアルのバックアップ体制で,手術室と外来診察部門を従来通り運用している。重要度の低い一部治療などについては,規模を縮小した。救急センターでは,救急車による搬送は近隣の病院に回した。
米CNET News.comによると,ウイルス侵入の影響を受けたのは,同トラストが管轄するSt. Bartholomew's Hospital,Royal London Hospital,London Chest Hospitalの3病院で,ネットワークからの遮断を余儀なくされた。ウイルスの正体は「Mytob」と見られている。これはバックドア型トロイの木馬をコンピュータに植え付け,マシンの遠隔制御を可能にしてしまう。このことから,英Sophosの技術コンサルタントGraham Cluley氏は,患者の機密情報流出の危険性を指摘している。