写真1●左からバイスプレジデントのマイク・サビエジ氏,CEOのシャンタヌ・ナラヤン氏,バイスプレジデントのマーク・ギャレット氏,最高技術責任者のケビン・リンチ氏,バイスプレジデントのジョン・ロイアノコ氏,シニアバイスプレジデントのロブ・タルコフ氏
写真1●左からバイスプレジデントのマイク・サビエジ氏,CEOのシャンタヌ・ナラヤン氏,バイスプレジデントのマーク・ギャレット氏,最高技術責任者のケビン・リンチ氏,バイスプレジデントのジョン・ロイアノコ氏,シニアバイスプレジデントのロブ・タルコフ氏
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 米Adobe Systemsの経営陣は米国時間2008年11月17日,米サンフランシスコで開催中のAdobe MAX 2008の基調講演後の質疑応答で,米国の金融危機に関する同社の方針を説明(写真1)。事業の方向転換と多様化が必要との見方を示した。

 シャンタヌ・ナラヤンCEOは,「今日は長期的な経営戦略を発表する場であり,売り上げなど財務的な話には答えられない」としながらも,金融危機対策に関する質問について以下のように答えた。

 「我々も他の企業同様,金融危機に際して多少の方向転換は必要だと考えている。ITのコンシューマ化,エンタープライズのコンシューマ化,という2つの課題について取り組みを進めて行きたい。この2つが長期的な成長を促すと考えるからだ」。

 また,今後は経営力を強化するため事業の多様化を目指すという。Adobe LiveCycleといったサーバー製品で自動化プロセスを強化するといった,「金融危機だからこそニーズの高まりが見込める分野に注力しつつ,自社についても投資先の選別やROI(投下資本利益率)へのフォーカスなど,グローバルの厳しい環境に対応する施策を行いたい」とした。

 同社は併せて,「金融危機はむしろ自社のビジネスの有益無益を見極め,ビジネスを絞り込むことに役立った」という意見も表明し,売り上げが下がったとしてもコスト構造を最適化することで,金融危機を必ず乗り越えられるだろうと語った。