写真●提携強化を発表した富士通の豊木則行サーバビジネス事業本部本部長と米レッドハットのガス・ロバートソン グローバルビジネスデベロップメント担当副社長
写真●提携強化を発表した富士通の豊木則行サーバビジネス事業本部本部長と米レッドハットのガス・ロバートソン グローバルビジネスデベロップメント担当副社長
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 富士通と米レッドハットは2008年11月18日、基幹業務システム向けのLinuxサポートサービスで提携を強化すると発表した(写真)。両社は、富士通製サーバーとRed Hat Enterprise Linuxで構築するシステムに対して、アップデートリリース単位のサポート期間を拡大するサービスを新たに提供する。

 新たに提供を開始するのは「SupportDesk Linux-拡張サポート」と「SupportDesk Linux-長期サポート」の2種類。米レッドハットがRed Hat Enterprise Linuxのサポート期間延長やサポート強化を図る「Red Hat Advanced Mission-Critical Program」の中で、富士通が第1号パートナーとなり、新たなサポートサービスを共同開発した。
 
 これまでの標準的なLinuxサポートサービスでは、障害修正は最新アップデートリリースに対してのみ提供される。このため、ユーザーはサポートを受けるためには、通常6カ月ごとの最新アップデートリリースのたびに更新する必要がある。

 これに対して、SupportDesk Linux-拡張サポートとSupportDesk Linux-長期サポートでは、それぞれアップデートリリースのサポート期間を拡大。一度のアップデートリリースで長期のシステム運用が可能になる。

 SupportDesk Linux-拡張サポートは、特定のアップデートリリースに対して1年半~2年にわたって障害修正を行う。具体的には、Red Hat Enterprise Linuxの最新アップデートリリースである5.2と5.4、5.6が対象となる。一方のSupportDesk Linux-長期サポートは、サポート期間をさらに拡大して5年間にわたって提供する。対象となるアップデートリリースは、5.3と5.7である。

 日本特有の文字コード「Shift JIS」を、Red Hat Enterprise Linux 4または5で正式にサポートすることも発表した。COBOLの既存アプリケーションやデータをそのままLinux環境で利用できる。Shift JISから標準文字コード「Unicode」への移行もサポートする。

 サポート体制は、富士通が国内でシステムの事前検証やサポートに当たるのに加えて、米国ボストンにあるレッドハットの拠点に「富士通-Red Hat共同開発推進室」を設置。富士通から派遣された4人のエンジニアが常駐しており、国内のサポートと連携する。

 サービス料金は、SupportDesk Linux-拡張サポートが年額36万円から、SupportDesk Linux-長期サポートが約300万円から。両社はいずれかのサービスを適用したサーバーの販売目標を、2010年度末までに5000台としている。