表:PINEAモジュールの主な仕様
表:PINEAモジュールの主な仕様
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 NTTエレクトロニクス(本社:東京都渋谷区,社長:吉村寛氏)は2008年11月18日,映像の符号化方式「H.264」のエンコードとデコードに対応したシングルチップLSI「PINEA」を搭載したPCI Expressモジュール「PINEAモジュール」を開発したと発表した。DDRメモリー内蔵のスタック型パッケージを採用したコーデックLSIを搭載しており,このモジュールを利用すればパソコンベースのH.264対応コーデックシステムを構築できるという(発表資料)。

 NTTエレは,「高画質な映像圧縮の実現と小型化・低消費電力化を両立させた。各種映像機器の小型化や高性能化に寄与するとともに,汎用的なPCI Expressに対応することで開発期間の短縮にも貢献できる」としている(表)。同社は今後,量産化に向けた段階に移行し,2009年6月に受注生産を開始する。なお今回の製品は,「Embedded Technology 2008/組込み総合技術展」(2008年11月19日~21日に開催)に出展される予定だ。

 デジタル映像圧縮フォーマットとして,H.264は放送や次世代DVDなどで利用され始めている。NTTエレは,「パソコンの高速化は急速に進んでいるが,フルHDTV(ハイビジョン)映像やSDTV(標準画質テレビ)映像のマルチチャンネルエンコーディング処理をソフトウエアでリアルタイム処理するには十分とはいえない。リアルタイムエンコーディングを安定して実現できるハードウエアコーデックとして,今回の製品を開発した」と述べている。