米Microsoftは米国時間2008年11月17日,仮想化技術の普及に向けた取り組みで米Hewlett-Packard(HP)との提携を強化すると発表した。製品,販売,サービスの面で協力し,仮想化の導入促進のための施策を進めていくという。

 中小企業から大企業までの顧客を対象として,ストレージ,サーバー,ネットワークの統合ソリューションやデスクトップ仮想化ソリューションの販売体制を強化。仮想化によるITコストの削減や運用効率の向上を目指す。また,HPはMicrosoftの技術を利用した包括的な仮想化サービスを提供し,戦略,設計,移行,運用などの面で顧客をサポートする。

 2008年12月には,HPのProLiantおよびBladeSystemシリーズのサーバーでパフォーマンスとリソースの最適化(PRO)機能を実現する「HP ProLiant PRO Management Pack for Microsoft System Center Virtual Machine Manager」を提供。2009年第1四半期には,Microsoftの仮想化環境「Windows Server 2008 Hyper-V」で構成管理プロセスの自動化を実現する「HP Business Service Automation」のベータ版をリリースする予定。

 また,HPが同日発表した10Gビット・イーサネット・モジュール「Virtual Connect Flex-10」も,「Windows Server 2008 Hyper-V」「Microsoft Hyper-V Server 2008」およびシステム管理ソリューション「Microsoft System Center」をサポートする。

 Virtual Connect Flex-10は,同社ブレード・サーバー向けのイーサネット・モジュール。10Gビット・イーサネット・ポートの帯域幅を4つのネットワーク・インタフェース・カード(NIC)接続に分配できる。各接続の帯域幅は要件に応じて配分可能。

 帯域幅を有効に利用し,必要なネットワーク・ハードウエアを減らすことで,コストや電力消費を抑えられるという。HPの説明によると,仮想化環境で同モジュールを利用した場合,ネットワーク機器にかかるコストを最大55%減らすことができ,エンクロージャ1台あたり240ワットの電力削減になるとしている。

 さらにHPは同日,仮想化環境に適したサーバー製品「ProLiant DL385 G5p」も発表した。AMD Opteron 2300シリーズのクワッドコア・プロセサを搭載し,最大6Tバイトの内部ストレージに対応。先代機の「DL385 G5」に比べてエネルギー効率を67%向上した。

[Microsoftの発表資料へ]
[HPの発表資料へ]