米Adobe Systemsと英ARMは現地時間2008年11月17日,AdobeのWebブラウザ用プラグイン・ソフトウエア「Adobe Flash Player 10」とリッチ・クライアント・プラットフォーム「Adobe AIR」をARMプラットフォーム向けに最適化することで技術提携すると発表した。Flash PlayerとAIRの最適化により,ARM技術を搭載するモバイル機器や家電においてリッチ・インターネット・アプリケーションとWebサービスのサポート強化を目指す。

 今回の提携により,両社は「ARM11」ファミリと「Cortex-A」シリーズのプロセサで使われている「ARMv6」および「ARMv7」アーキテクチャ向けに最適化に取り組む。最適化されたFlash Player 10とAIRは2009年下半期に利用可能となる見通し。

 ARMの技術は,スマートフォン,モバイル・インターネット機器,セットトップ・ボックス,デジタル・テレビ,ナビゲーション機器,メディア機器などに採用されている。両社の提携により,ARMアーキテクチャ向けに最適化したFlash Player 10だけでなく,GPUおよびハードウエア・アクセラレータ向けに業界標準のAPIのサポートを提供可能となる。また,FlashとAIRを動作させる際の消費電力の低減も期待できるとしている。

 最適化されたFlash Player 10は,Flash PlayerとAIRを活用して,異なる端末においてコンテンツやアプリケーションを利用できるようにするためのプロジェクト「Open Screen Project」を通じてパートナにロイヤリティ・フリーで提供される予定。ARMプロセサ搭載デバイス向けのFlash Player 10は,AdobeからOEM(相手先ブランド製造)企業に提供される。

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