写真●シンガポールの拠点からテレビ会議で会見した、ノーテル・アジアのエリック・ローゾンCIO(最高情報責任者)
写真●シンガポールの拠点からテレビ会議で会見した、ノーテル・アジアのエリック・ローゾンCIO(最高情報責任者)
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 ノーテルネットワークスは2008年11月17日、グリーンITへの取り組みの一環として同社が世界11カ所に置くデータセンターを、2010年末までに2カ所に統合する計画を明らかにした。すでに年内に計画をスタートしており、7カ所にまで集約した。「この経済状況ではROI(投資対効果)が見込めない投資は許されない。グリーンITについても例外ではない」。シンガポールからテレビ会議システムを使って会見に臨んだノーテル・アジアのエリック・ローゾンCIO(最高情報責任者)はこう話す(写真)。

 ノーテルは59カ国に240の拠点があり、IT資産も規模が大きい。グローバルでサーバーが2100台、パソコンを3万2000台、スイッチやルーターが5100台あるという。データセンターの集約に伴ってサーバーやネットワーク機器の台数を減らす。その分の消費電力を削減する。

 すでにサーバー統合には着手している。06年6月に仮想化技術を使い、カナダのトロント、オタワなどにある4カ所のデータセンターでサーバーの集約を始めた。07年末までに24台のハードウエア上で187台の仮想マシンを動かしているという。「ハードウエアの保守費などを57万2000ドル、電力コストを年間8万5000ドル削減した」とローゾンCIOはコスト削減効果を明かす。今後はほかのデータセンターにあるサーバーも統合を進める。

 また、自社のユニファイド・コミュニケーション製品を社内に順次導入していることもコスト削減につながっているという。テレビ会議やIP電話のシステムを導入していなかった2003年頃と比較すると、通信費や出張費などを年間1200万ドル程度削減できていると、ノーテルは計算する。

 日本法人では在宅勤務制度や業務のペーパーレス化などを進めている。レイ・テスク代表取締役社長は「コスト削減だけでなく、ワークライフバランスにもつながる」とその効果を説明する。