左からエニグモ代表取締役の須田将啓氏、サイバー・バズ取締役の児玉悠佑氏、インタースパイア取締役副社長の手嶋浩己氏
左からエニグモ代表取締役の須田将啓氏、サイバー・バズ取締役の児玉悠佑氏、インタースパイア取締役副社長の手嶋浩己氏
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モデレーターはセプテーニ代表取締役社長の佐藤光紀氏が務めた
モデレーターはセプテーニ代表取締役社長の佐藤光紀氏が務めた
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 2008年11月14日、国内外のITベンチャー企業が集うイベント「Infinity Ventures Summit 2008 Fall」の会場において「広告メディアはクチコミへ、動画へと進化する」と題したパネルディスカッションが開かれた。パネリストはインタースパイア取締役副社長の手嶋浩己氏、サイバー・バズ取締役の児玉悠佑氏、エニグモ代表取締役の須田将啓氏。モデレーターはセプテーニ代表取締役社長の佐藤光紀氏。

 冒頭で各社が自社のクチコミマーケティングの取り組み事例を紹介。これを受け、セプテーニの佐藤氏が「新しいクチコミや動画広告は従来のバナー広告や検索連動型広告に変わる流れ。今後の市場活性化のカギを握るのは何か」とパネリストに問いかけた。

 エニグモの須田氏は「効果指標がまだ確立されていないのが問題」と現状を分析。CPC(クリック単価)やCPA(顧客獲得単価)と比べられてしまうネットにおいて、マス広告と同様にブランディングやエンゲージメントといった指標が確立される必要があるとした。

 一方、サイバー・バズの児玉氏は現状のクチコミマーケティングや動画広告は「実際の販売に直結する実績を上げられていない」と分析。宣伝系の予算だけでなく販促系の予算を獲得できればもっと市場が拡大すると主張した。

 ケータイ広告を手がけるインタースパイアの手嶋氏は、ケータイ独自の問題を提起。「SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)や公式サイトなど、外部リンクが禁止のものが多い」(手嶋氏)とし、クチコミが広がりにくい土壌だと主張した。また、ケータイのブログでは動画投稿共有サイトの動画を手軽に張り付けられないなどインフラ面の環境が未成熟であるとし、効果指標以前の問題だと訴えた。

 その後、エニグモの須田氏が同業他社のパネリストに「景気が悪い中で広告主の反応は?」と聞くと、インタースパイアの手嶋氏が「現状のクチコミマーケティングや動画広告は余りの予算でやっているケースが多い。予算の締め付け時に最も影響を受けやすい」と回答するなど、不況下の厳しい現状について互いに赤裸々に語った。