ディアイティは,Linuxを動作させたIBM製メインフレーム向けのデータ転送ミドルウエア「SSH Tectia Server for Linux on IBM System z」を,2008年12月1日に販売開始する。IBMメインフレーム向けには,これまでz/OS向け製品を提供してきたが,新たにLinux向けの製品を追加した。参考価格は180万円程度から。開発会社は,フィンランドSSH Communications Security。

 SSH Tectia Serverは,SSH(Secure Shell)と呼ぶ遠隔通信プロトコル群を実装したミドルウエアである。遠隔ログインやファイル転送など,遠隔地同士の通信を認証/暗号化することで,情報の漏えいを防ぐ。SSHは元々,UNIXの遠隔操作コマンドであるrlogin/rsh/rcpのセキュア版として登場し,その後に汎用のカプセル通信プロトコルとなった。現在では主に,データ転送プロトコルのFTPをセキュアにしたSFTPの用途で使われる。SFTP同士のクライアント/サーバー通信に加え,FTPをアクセス透過型SFTPに変換するローカル・プロキシなども備える。

 今回販売を開始する製品は,IBM System zとLinuxを組み合わせたサーバー環境で動作するバージョンである。これまで提供していたIBM System z向けのSSH Tectia Serverは,z/OS向けの製品だった。今回新たに,Linux用の製品を追加した。なお,IBM System z以外の環境で動作する製品としては,x86環境向けLinux(Red Hat,SUSE,Solarisなど)や各種UNIX(AIX,HP-UX,Solarisなど),Windows(2000,XP,Vista,Server 2003など)といった製品がある。