米Googleが開設したインフルエンザ流行分析サイト「Google Flu Trends」について,プライバシ団体が強い懸念を示している。電子プライバシ情報センター(EPIC:Electronic Privacy Information Center)はGoogleのCEO,Eric Schmidt氏に,どのようなプライバシ保護策を講じているか明確にするよう求める書簡を米国時間2008年11月12日付で送った。

 Google Flu Trendsは,「インフルエンザ症状」といったインフルエンザ関連のキーワードによる検索実行を解析する。Googleは,こうしたキーワードとインフルエンザの蔓延が関係しているとしており,インフルエンザ関連の検索が行われている地域を特定し,インフルエンザの流行を分析して地域ごとのデータを表示する。

 EPICは,Google Flu Trendsにおいて,検索キーワード,検索を実行したマシンのIPアドレス,検索を実行した日時,ユーザーが要求したURL,使用しているブラウザとOS,クッキーIDなど,ユーザーの個人情報を保存していることを指摘し,プライバシの問題があると批判している。また,インフルエンザ関連だけでなく,AIDSや,特定の治療に用いる薬品の検索も追跡される可能性を挙げた。

 EPICはGoogle Flu Trendsについて,「ユーザー生成型データの重要な活用であり,米国や世界中の保健支援に大いに役立つだろう」としながらも,「Googleは,検索実行者のプライバシを保護するための明確な対策については明かしていない。Google Flu Trendsの透明性を高め,ベースにしているアルゴリズムを公開するべきだ」と述べている。

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