14社のプレゼン大会で見事優勝に輝いたヤマハサウンドテクノロジー開発センターY2プロジェクト主任の須田英之氏
14社のプレゼン大会で見事優勝に輝いたヤマハサウンドテクノロジー開発センターY2プロジェクト主任の須田英之氏
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 国内外のITベンチャー企業が集うイベント「Infinity Ventures Summit 2008 Fall」は2日目を迎え、14社が制限時間6分で自社の新サービスをプレゼンする「Launch Pad」が開催された。

 出場したのはアイ・ブロードキャスト、芸者東京エンターテインメント、ディヴィデュアル、popIn、ユビキタスエンターテインメント、アジャイルメディア・ネットワーク、ケイビーエムジェイ、ニューフォレスター、モルフォ、吉田鎌ヶ迫(よしだかまがさこ)、ウイングスタイル、スパイシーソフト、ホットリンク、ヤマハの14社。10人の審査委員による評価によって優勝者が決定する。

 50点満点で46点を獲得し、見事優勝に輝いたのはヤマハがプレゼンした「Kang Kong Song Maker」。これはヤマハが培った音楽技術をさまざまな形で公開し、ネットサービス展開企業との新サービス開発を考える「Y2プロジェクト」の一環。

 写真の明るさや写っている顔の数などさまざまなパラメーターを抽出し、あらかじめ用意された数百パターンのフレーズから最適な音を組み合わせてイメージに近い楽曲を自動的に作曲するというもの。プレゼンでは結婚式の写真数枚のスライドとともに自動作曲された楽曲が流れた。「早ければ年内にインディソフトウエアからサービスが開始される予定」(プレゼンを行ったヤマハサウンドテクノロジー開発センターY2プロジェクト主任の須田英之氏)という。この技術を使ってさまざまな企業との協業を考えていきたいとしている。

 さまざまなプレゼンの中では会場を沸かせたものもいくつかある。以下、紹介する。

 popInが発表したのはページ遷移せずに検索や翻訳が可能なサービス「popIn」。通常、Webページを閲覧していて検索したいキーワードが出てきた場合、文字列を選択してコピーし、検索ツールバーに張り付けて検索するという流れが一般的。popInは文字列を選択した際に表示されるメニューから「検索」を選ぶと、ページ遷移せずに同一ページ内にミニブラウザーが現れ検索結果を表示する。「翻訳」を選択したときも同様に同一ページ内に翻訳後のテキストを表示。頻繁な遷移が不要のため利便性が向上する。

 独特のデザインとコンセプトで会場を沸かせたのはディヴィデュアルが運営するWebサービス「リグレト」。これは「自分がへこんだ事」を書き込み、周りの人が慰めのコメントを書き込むという一風変わった掲示板サービス。フォント、コメントのデザイン、表示方法などが独特で、完全匿名のサービスとなる。2008年10月7日にケータイ版サイトをオープン。女性ユーザーが半数以上を占めるという。

 そのほか、拡張現実(AR)を使った「電脳フィギュア アリス」を発売する芸者東京エンターテインメントや、ケータイにおけるP2P技術「Spear」を紹介した吉田鎌ヶ迫(よしだかまがさこ)などが注目を集めた。

■修正履歴
記事公開時、「5人の審査委員による評価」としておりましたが、正しくは「10人の審査委員による評価」の誤りです。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。[2008/11/17 16:35]