米Microsoftは11月13日午前(米国時間),「Windows Live」ブランドのもとで実施するメジャー・アップデートの内容を発表した。次期クライアントOS「Windows 7」にアプリケーション・スイート「Windows Live Essentials」を付属させるほか,各種オンライン・サービスをアップデートする。同社は,これらの新スイート/サービスでWindows Live関連リリースの「Wave 3」(3番目の波)が完了するとしている。

 Microsoft Windows Live担当ジェネラル・マネージャのBrian Hall氏は,先日の説明会で「これでWindows LiveのWave 3リリースが完全に終わる」と述べた。「現在Essentialsスイートは公開ベータ試験中で,間もなくアップデートする。アップデート予定の各種オンライン・サービスは非公開ベータ試験を行っており,数週間後に最終的な姿をご覧に入れる」(Hall氏)。

 Microsoftは今回のアップデートで,実にたくさんの新しいソフトウエアとサービスをリリースする。Essentialsスイートでは,データ同期サービス「Windows Live Sync」を使って,写真ライブラリの同期がパソコン間で行えるようになる。そのほか,アプリケーションとWeb対応オンライン・サービスとの連携も強化される。しかも,こうした連携機能の多くが今までなかったものだ。

 「Windows Live Photos」「Windows Live Groups」「Windows Live People」といった新サービスも登場する。さらに,既存サービスもアップデートの対象だ。オンライン・ストレージ・サービス「Windows Live SkyDrive」は無料で25Gバイトまで利用できるようになり,「Windows Live Hotmail」はPOP3アクセスとメール・アカウント統合機能が無料化される(関連記事:Windows 7が標準装備する「Windows Live Essentials」MSのストレージサービス「SkyDrive」、ベータ版なしで正式開始)。

Facebookなどの外部SNSと積極的に協力

 ただし,Wave 3リリースでもたらされる最も印象的な変化は,Microsoftの製品やサービスとの関係が薄まる点である。同社はWindows Liveと大量の外部ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の連携を進める。Microsoftは,「MySpace.com」や「Facebook」といった大手SNSと闘うことを止め,50種類以上ある世界各地の上位SNSの力を借りることで,Windows Liveをそれらサービスのアクセス拠点にしようと考えているのだ。

 例えばWindows Liveのニュース・サービス機能を使うと,これまで個別管理が必要だった多種多様なサービスのコンタクト・リストを集約するといったことが行える。友人から送られてくる更新情報をリニューアルした「Windows Live Home」サイトやメッセージング・アプリケーション「Windows Live Messenger」で一括して受け取り,様々なWeb対応サービスの利用をまとめられる。また,米Yahoo!の「Flickr」に対する写真のアップロード,米Amazon.comへの商品レビュー投稿,ミニ・ブログ・サービス「Twitter」への書き込み,その他いろいろなサービスで行ういろいろな活動を,Windows Live経由で友人や知人に知らせることも可能になる。

 Windows Live Wave 3リリースの詳細記事は,後日SuperSite for Windowsに掲載する。同リリースのプレビュー記事(英文)はすでに公開している。