写真1●NECが研究開発中の「体験型共創プラットフォーム」 同社が開発中のロボット「PaPeRo」の挙動を積み木細工のように定義できるビジュアル・プログラミング・ツールと,PaPeRoへの入力をフィードバックできる「タッチ・プログラミング」環境の2要素で構成
写真1●NECが研究開発中の「体験型共創プラットフォーム」 同社が開発中のロボット「PaPeRo」の挙動を積み木細工のように定義できるビジュアル・プログラミング・ツールと,PaPeRoへの入力をフィードバックできる「タッチ・プログラミング」環境の2要素で構成
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●ビジュアル・プログラミング・ツールは米MITの「Scratch」がベース
写真2●ビジュアル・プログラミング・ツールは米MITの「Scratch」がベース
[画像のクリックで拡大表示]

 子供の創造力を育むと同時に,既成概念にとらわれない子どもの知見をソフトウエア開発に生かす---。NECは2008年11月11日から開催中の「iEXPO 2008」において,子供から大人まで幅広い層のユーザーが開発に参加できる「体験型共創プラットフォーム」を展示。ビジュアル・プログラミング・ツールと同社が開発中のロボット「PaPeRo」を組み合わせ,幼児でも使える開発環境のコンセプトを提示している(写真1)。

 体験型共創プラットフォームは,ソフトウエアを含むモノ作りにおける「思う」「つくる」「あそぶ」といった体験の共有を実現するのがコンセプト。PaPeRoの挙動を積み木細工のように定義できるビジュアル・プログラミング・ツールと,PaPeRoへの入力をフィードバックできる「タッチ・プログラミング」環境の2要素で構成され,子供が無理なく開発に参加できる環境を用意している。

 ビジュアル・プログラミング・ツールは,米MIT(マサチューセッツ工科大学)の「Scratch」がベース(写真2)。Alan Kay氏が開発に参加したことで知られるSqueakの発展系と言える開発ツールで,演算子や制御文に相当するブロック状のパーツを組み合わせてアルゴリズムを記述する。今回のデモでは,MITとの共同開発でPaPeRoの制御機能を組み込んだものを使用している。実際に動くロボットを見ながらプログラミングすることで,楽しみながら学べ,開発に参加できるのが特徴だ。

 タッチ・プログラミングは,PaPeRoの肩をたたいたり,背中を押したりする入力をプログラミングに生かすというもの。現時点では,あらかじめ記述した「肩を叩かれたら振り返る」「背中を押したら進む」といったプログラムを実行するトリガーとして機能する。動作確認には使えるが,ロボットをインタフェースとしたプログラミングには至っていない。「今後はPaPeRoへの操作をプログラミングに生かす研究開発を進める」(説明員)という。