写真 Linuxディストリビュータ買収でOSを含めCellの開発環境を拡充した
写真 Linuxディストリビュータ買収でOSを含めCellの開発環境を拡充した
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 フィックスターズ(東京・港)は2008年11月11日、米国のLinuxディストリビュータ「テラ・ソフト・ソリューションズ」の全資産を買収したと発表した。テラ社はLinuxディストリビューションの「Yellow Dog Linux」を開発している。フィックスターズはテラ社を買収することでOSを手中に収め、アプリケーションやミドルウエア、ハードウエアまで統合的に提供できる環境を整えた(写真)。

 フィックスターズは米IBMのプロセサ「Cell Broadband Engine」(Cell/B.E)上のアプリケーション開発に強みを持つ。今年5月にはみずほ証券がフィックスターズの支援を受け、日本IBMのCell搭載ブレードサーバーを導入すると発表している。

 一方テラ社も05年からCell/B.Eアプリケーションの開発に乗り出し。Cell/B.E.搭載ブレードサーバー上で稼働するYellow Dog Linuxを開発しており、フィックスターズや大手メーカーがハードウエアのOSとして採用している。また、Cellを搭載するソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)のプレイステーション3に対応したLinuxも手がける。

 CellはIBMが東芝やSCEと共同で開発したプロセサ。1つのプロセサ・モジュール内に、汎用プロセサと画像処理やシミュレーションなど特定の演算に強い専用プロセサを複数搭載しており高性能だが、アプリケーション開発のハードルが高いという難点がある。世界のスーパーコンピュータの性能をランキングしているTOP500では、Cellとx86プロセサのハイブリッド機が1位となっている。

 フィックスターズは米サンノゼにフィックスターズ・ソリューションズを設立し、テラ社の事業や従業員を引き継ぐ。