2008年11月11日から開催中の「iEXPO2008」で,NEC システムプラットフォーム研究所が開発を進める次世代インタフェース「ExpEther(エクスプレスイーサ)」のデモを見ることができる。
ExpEtherは,パソコンなどのインタフェースであるPCI Expressのパケットを,Ethernetフレームでカプセル化して伝送する技術(写真1)。通常はパソコンなどの内部で利用するシステム・バスを,Ethernetを利用して外部に延長するイメージである。
会場では,バラバラに配置した「CPUとメモリー」「ハードディスク」「キーボード,マウス」「ディスプレイ」をEthernetスイッチにつなぎ,1台のパソコンとして動く様子を確認できる(写真2,写真3)。
従来のシステムでは,サーバー間はEthernet,サーバー-ストレージ間はFibre Channelといった具合に,接続するデバイスによってネットワークを使い分けることが多い。ExpEtherを導入すれば,「ネットワークをEthernet環境にまとめられるため,システム管理が容易になる」(説明員)という。
ExpEtherにはPCI Expressよりも優れた点がある。「ホットプラグ」は再起動なしで新たなデバイスを追加できる機能である。PCI Expressの場合は,デバイスを追加する際にシステムの再起動が必要となる。このため,ExpEtherでは「あるストレージの割り当て先をサーバーAからサーバーBに変更する」といった処理が簡単にできる。このときVLANを併用すれば,さらに柔軟にシステム構成を変更することが可能だ。
NECでは他の組織と協力してコンソーシアムを設立し,ExpEtherの技術情報の共有や普及促進を進める方針。コンソーシアムの詳細については,近日中に発表するとしている。