ネットマーケティングに関する大規模イベント「ad:tech New York」が11月3日から6日(米国時間)まで開催された(講演は4日から)。今回のad:tech New Yorkのテーマは「How digital is transforming all media(デジタルテクノロジーはすべてのメディアをどのように変革しつつあるか)」。

CNNアメリカ社長のジョナサン・クレイン氏
CNNアメリカ社長のジョナサン・クレイン氏

 米国では、テレビ番組はネット配信やデジタルビデオレコーダーに録画して見られることが増え、アナログの地上波テレビ放送は2009年2月に終わりデジタルへ完全移行する。マスメディアもデジタル技術により大きく変革しつつあることは明らかだ。ad:techはネット広告のカンファレンスとしてスタートしたが、その考え方はマスメディアのデジタル化と共にすべてのメディアに広がっている。

 初日のキーノート・スピーチではこのテーマを象徴するように、CNNアメリカの社長で同社の番組統括、編集、戦略的方向性の経営全般を担当しているジョナサン・クレイン氏が、「デジタル世界における将来のニュース配信」について語った。

 まず、同氏は「次期大統領選挙の投票日である今日という日が米国にとって歴史に残る日だ」とし、今回の2人の大統領候補のキャンペーンによるメディアの使われ方を紹介した。

 共和党マケイン候補のキャンペーンを、1960年代にニクソン大統領が使った「Mad Men」(現在アメリカで放送中の人気ドラマで1960年代の広告代理店の人間を意味する)に例え、彼は幅広いリーチを求めた従来のテレビスポットやマスメディアを活用したことを指摘した。