富士ソフトは11月10日、2008年度(2009年3月期)中間期の決算を発表した。連結売上高は、前年前期比0.5%減の832億2100万円。同営業利益は同17.3%増の39億1000万円。携帯電話向けソフト開発が不振で減収だったが、売上原価率の改善により増益となった。ただし連結経常利益は、連結対象であるエース証券の損失が響き、前年同期比10.5%減の35億3500万円だった。

 事業セグメント別の売上高は、「ソフトウェア開発関連事業」が684億1200万円。前年同期比0.2%の微増だった。同事業の内訳をみると、主力の組み込みソフト開発分野は、前年同期から4.1%減って310億800万円。一方、金融業や流通業向けの業務ソフト開発分野は同4.3%増の255億5600万円である。

 システム保守・運用サービスなどの「アウトソーシング事業」は、売上高が前年同期比4.3%減少し135億8300万円。人材派遣業などの「その他事業」は同3.0%増の12億2500万円だった。

 同日の決算説明会で、富士ソフトの吉田實代表取締役専務は携帯電話向けソフト開発の現状を「国内市場だけに頼っていたら生き残れない。中国やインドなど海外市場に進出することで、国内向けビジネスの落ち込みをカバーしていく。現在、中国の携帯電話会社と協業を進めている最中だ」と説明した。

 また白石晴久代表取締役社長は、今年度下期の全体の業績見通しについては「ソフト開発事業の受注残金額が前年同期を上回っていることもあり、下期も堅調に推移すると見ている」と語った。こうしたことから同社は通期予想を変更していない。連結売上高が前年同期比2.5%増の1750億円、営業利益が同13.1%増の85億円、経常利益が同10.8%増の86億円を見込んでいる。