米AT&Tは米国時間2008年11月7日,地域向け無線および有線通信事業者の米Centennial Communicationsを9億4400万ドルで買収する計画を明らかにした。取り引きは現金で行う。これにより,AT&Tは米国中西部および南東部などにおける地方居住者向け無線サービスと企業向け有線サービスの拡充を図る。

 Centennialはインディアナ州,ルイジアナ州,ミシガン州,ミシシッピ州,オハイオ州,テキサス州をはじめ,米国領プエルトリコやバージン諸島に110万人の無線サービス加入者を持つ。その多くが都市部を離れた地域に居住しているという。

 CentennialがAT&Tに加わることにより,Centennialユーザーは,AT&Tが扱う「iPhone 3G」や「BlackBerry Bold」といった各種デバイスを用いて,さまざまなサービスにアクセスするほか,全米規模の公衆無線LANも利用できるようになる。

 AT&T Mobility and Consumer Markets事業CEO兼社長のRalph de la Vega氏は,「モバイルは,当社にとって必要不可欠な投資対象であり,当社の成長をけん引する最大分野だ。Centennial買収は,当社ネットワークの消費者および企業に向けた提供促進につながり,当社株主への長期的な価値も生み出すだろう」と述べている。

 Centennialの株主は,Centennial株式1株につき8.50ドルを受け取る。AT&TはCentennialの負債も引き受けるため,取引総額は約28億ドルにのぼる見込み。手続きは,当局や両社株主の承認を得たのち,2009年第2四半期に完了する見通し。

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