iPhoneのカメラを通して見ている目の前の様子の映像に、さまざまな付加情報を表示する「SekaiCamera」のコンセプトを発表している頓智・(トンチドット、岐阜県大垣市)は2009年2月14日に第一弾となるサービスを開始すると発表した(頓智・のコンセプトビデオ)。ソフトピアジャパン(岐阜県大垣市)と情報科学芸術大学院大学・岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)が2008年11月7日に開催した「iPhoneビレッジから世界へ~新しいモバイル・ライフとエンタープライズ~」と題したセミナーの壇上で明らかにした。

 「セカイカメラの世界観」と題した講演を行った頓智・代表取締役の井口尊仁氏は、米国で9月に開催されたシリコンバレーのベンチャーキャピタリストが集うイベント「TechCrunch50」にデモを披露して賞賛を浴びた話を紹介。同時に、「米国においてWeb2.0が終えんを迎えているのではないか」と実感を述べた。また、現状のWebサービスに対して「結局、検索の繰り返し。非常にストレスがたまる」(井口氏)とし、今見ているものから情報を直接得られ、また直接情報を書き込めるSekaiCameraのコンセプトの方が便利だと主張した。

 SekaiCameraのデモンストレーションを行った後、井口氏は2009年のサービス提供ロードマップを示した。第一段階のサービスは「Communication in the Air」というコンセプト。コードネームを「Air Mail」と名付けた同サービスは、特定の場所にテキストをベースとした情報をタグ付けするというもの。プレゼンテーションでは、駅のプラットフォームにいる気になる女の子に対して、いつも立っている場所にその子が好きと思われる音楽のミュージックビデオをタグ付けし、プレゼントする例を示した。基本的にはタグ自体は誰でも見られるが、特定の人にだけ見せる機能も盛り込む予定だという。「何とかバレンタインデーのリリースに間に合わせたい」(井口氏)。サービスは無料を予定している。

 その後の来年のロードマップは、第二段階を「Connect the dots in the Air」、第三段階を「Can you catch me in the Air ?」というコンセプトのみ示すにとどまった。