カカクコムは2008年12月までに、ワインなど一般消費財の比較用コンテンツを強化する方針だ。現在は、家電やパソコンなど耐久消費財の商品情報やクチコミが中核だが、一般消費財のコンテンツを強化することで販売実績などに応じて手数料を得るアフィリエイト収入を拡大させることを目指す。

 カカクコムが11月7日に開催した2008年3月期第2四半期(7~9月期)の決算説明会で田中実社長が明らかにした。比較サイトの「価格.com」では現在、一部の一般消費財の商品情報は「ショッピングサーチ」機能によりEC(電子商取引)サイトから自動収集し、ワインであれば「フランスワイン」「イタリアワイン」などに分類して探せるようにしている。また、キーワード検索にも対応している。ただし、商品ごとのレビューやクチコミ機能は備えていない。

 カカクコムは現在コンテンツ強化に向け、ワインであれば原産地などの情報登録を社内で進めている。家電などと同様のデータベースを用意、クチコミを受け付けるようにする。一般消費財の中でも、嗜好(しこう)性の高い分野からデータベース化を進めていく。

 カカクコムの2008年度第2四半期の集客サポート業務(アフィリエイトを含む)による売上高は、前年同期比2.1倍の5億4000万円。そのうち6000万円程度が一般消費財による収入だった。「来年は(耐久消費財と一般消費財の)比率を半々にしたい」(田中社長)という。

 景気減速・後退による消費意欲の低下も懸念されるが、田中社長は「カカクコムの広告主は広告予算だけでなく販促予算でも出稿しているため不況に耐える力はある」と説明した。その上で、さらに景気後退が進みカカクコムユーザーの購入率が低下する場合は、「2009年3月の目標としていた価格.comユーザー月間1600万人の目標を、一般消費財のコンテンツやクチコミ強化などで1700万人、1800万人に引き上げることも覚悟している」と述べた。

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