写真●2009年3月期の連結中間決算を発表するNTT持ち株会社の三浦惺社長
写真●2009年3月期の連結中間決算を発表するNTT持ち株会社の三浦惺社長
[画像のクリックで拡大表示]

 NTT持ち株会社は2008年11月7日,2009年3月期の連結中間決算(2008年4月~9月)を発表した。売上高は対前年同期比0.4%減の5兆1645億9300万円,営業利益が同32.1%増の7450億8200万円の減収増益だった。IP系の収入は伸びたが,音声関連収入の減少をカバーできない状況が続く。

 同時に売上高の通期予想を下方修正した。NTTドコモの携帯電話販売収入の減少を見越して当初予想から1700億円減の10兆5800万円とした。営業利益は当初予想と同じ1兆1600万円である。

 NTT持ち株会社の三浦惺社長(写真)は中間決算の業績について「フレッツ光や携帯電話端末の販売が当初想定を下回り,売上高は厳しい状況。しかし,コスト削減の効果もあり,営業利益はおおむね順調に推移している」と総括した。

 会見では,2008年度のフレッツ光の純増目標を下方修正することも明らかにした。2008年度の事業計画(関連記事)では340万件の純増を予定していたが,これを280万件(NTT東日本がマイナス40万件,NTT西日本がマイナス20万件)に引き下げた。ただ,「2010年度に光2000万契約」の目標は修正しない。

 三浦社長は下方修正の理由を「映像系サービスを中心に光を販売する予定だったが,IPTVサービスがセットトップ・ボックスの故障でスタートが遅れ,需要を喚起できなかった。契約数が1000万件(2008年9月末時点で1009万6000件)を越えて,パソコンを中心とした需要がかなり浸透してきたこともある。景気の影響も若干あるのではないか」とした。

 フレッツ光の拡販に向けた今後の施策としては従来と同様,映像サービスの強化を挙げた。「IPTVサービスはスタートが遅れたものの,第2四半期の契約数が3万件の純増と順調に伸びている」(三浦社長)。このほか,ゲーム機や健康機器などパソコン以外の機器と連携した展開,企業向けの販売の強化などを予定する。「今年度は下方修正するが,2010年度に光2000万契約の目標はそのままにして精一杯頑張っていきたい」(同)とした。

[発表資料へ]