米Qualcommは米国時間2008年11月6日,2008会計年度第4四半期(2008年7~9月期)の決算を発表した。GAAP(米国会計原則)ベースの売上高は33億3000万ドルで,前年同期比45%増,前期比21%増。純利益は8億7800万ドルで,前年同期比22%減だが,前期比では17%増加した。希薄化後の1株当たり利益は0.52ドルで,前年同期比22%減,前期比16%増となった。

 戦略的投資を行うQualcomm Strategic Initiatives(QSI)事業に関連した利益や経費を除いたプロフォルマ(予想損益計算書)ベースの売上高は,前年同期比44%増の33億3000万ドル。同条件の純利益は前年同期比16%増の10億6000万ドル,希薄化後の1株当たり利益は同17%増の0.63ドルだった。

 営業利益はGAAPベースで13億4000万ドル,プロフォルマ・ベースで15億8000万ドル。またフリー・キャッシュ・フローは前年同期比13%減の7億9600万ドルで,売上高の24%を占めた。

 プロフォルマ・ベースの研究開発費は前年同期比29%増。これはIC製品のほか,次世代CDMA(符号分割多元接続)やOFDMA(直交周波数分割多元接続)技術の開発コストが増えたため。

 通期(2007年10月~2008年9月)では,GAAPベースの売上高が111億4000万ドルで前年比26%増,純利益が31億6000万ドルで同4%減,希薄化後の1株当たり利益が1.90ドルで同3%減だった。また,プロフォルマ・ベースの売上高は111億3000万ドルで前年比25%増,純利益は37億4000万ドルで同10%増,希薄化後の1株当たり利益は2.25ドルで同12%増だった。

 同社CEOのPaul E. Jacobs氏は,「チップセット事業が好調だったほか,フィンランドNokiaとの特許侵害訴訟で和解に達するなど,2008会計年度の業績には大変満足している。景気低迷の影響を予測するのは困難だが,業績は堅調で安定したキャッシュ・フローを生み出している」と述べた。

 同社は2009会計年度の見通しについても明らかにした。

 第1四半期(2008年10~12月)は,GAAPベースの売上高が23億~25億ドルで,前年同期比6%減~同2%増を見込む。希薄化後の1株当たり利益は0.35~0.39ドルで,前年同期比15~24%減の見通し。

 一方,通期(2008年10月~2009年9月)は,GAAPベースの売上高が102億~108億ドルで前年同期比3~8%減。希薄化後の1株当たり利益は1.61~1.71ドルで,前年同期比10~15%減を見込む。