日本ユニシスは11月7日、2009年3月期の中間決算説明会を開いた。連結売上高は1468億9000万円(前年同期比3.6%減)で、営業利益は41億1700万円(同35.0%増)。減収増益の結果に対して、籾井勝人社長は「選別受注で売り上げは減ったが、不採算案件が少なく収益性が高まった」と説明した。

 システム構築案件の赤字金額は、第1四半期はゼロ(前年同期は4億円)、第2四半期は9億円(同34億円)と前年同期と比べて大幅に減少。下半期は5億円(同12億円)を見込む。籾井社長は「『行灯システム』の効果でプロジェクトの不調を早期発見し、“初期消火”できるようになったことが最大の要因」と言う。

 さらに、開発の外注比率を下げたことも奏功した。今年度は不採算案件が減少したため、年間500億円強あった外注のうち1割以上を削減できたという。2007年度は赤字プロジェクトを立て直すため、外部のITベンダーの要員を数多く投入していた。このため、「外注費が膨らんでいた」(白鳥恵治専務執行役員)。今後も同社は、間接部門の社員を開発部門や営業部門に再配置するなどして、内製比率を高める。

 通期の見通しについて、籾井社長は「景気後退の影響はあるかもしれないが、企業体質の強化とICTサービス事業の強化を進めることで、成長を維持していきたい」と述べた。通期の連結業績予想は、売上高が3450億円(前期比2.1%増)、営業利益が220億円(同12.0%増)で、増収増益の見通しを据え置いた。