米AT&Tは米国時間2008年11月6日,Wi-Fiサービス・プロバイダの米Wayportを買収することで合意したと発表した。買収額は約2億7500万ドルで,AT&Tはこれを現金で支払う。自社のIPおよび3Gネットワークと合わせ,家庭,職場,モバイル環境における強力なブロードバンド接続を提供できるようになるとしている。

 AT&TはWayportの買収により,米国内に約2万個所のWi-Fiホットスポットを展開し,ローミング・サービスを含めると世界に8万個所以上のWi-Fiホットスポットを運用することになる。

 Wayportは大手ホテルの「Wyndham」「Marriott Vacation Club」「Four Seasons」や,ハンバーガー・ショップ「McDonald's」の店舗などでWi-Fiサービスを提供するほか,AT&Tホットスポットのバックオフィス管理も手がけている。AT&Tはヘルスケア,教育,小売業といった分野にもサービス対象を拡大し,消費者には一貫したコミュニケーション体験の提供を,企業には一元的なネットワーク管理の提供を目指す。

 AT&Tが引用した米In-Statの調査によると,2007年におけるWi-Fi対応デバイスの出荷数は約3億台。2012年には10億台近くに達する見込み。AT&T Operations事業の社長兼CEO(最高経営責任者)を務めるJohn Stankey氏は「Wi-Fi市場での優位性確保に向けた当社の取り組みを明確に示すべき時だ」と語る。

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