写真1●東京慈恵医科大学高次元医用画像工学研究所の鈴木直樹教授
写真1●東京慈恵医科大学高次元医用画像工学研究所の鈴木直樹教授
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写真2●Virtual Anatomiaの骨格モデル
写真2●Virtual Anatomiaの骨格モデル
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写真3●Virtual Anatomia Ver.1.5で追加された筋肉モデル
写真3●Virtual Anatomia Ver.1.5で追加された筋肉モデル
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 日本SGIは2008年11月6日,パソコンで人体モデルをリアルに表示するソフトウエア「Virtual Anatomia」の新版を発表した。新版の「Virtual Anatomia Ver.1.5」は,2006年11月に発売したVer.1.0に置き換わる製品で,従来の内臓,血管,骨格に加え,新たに筋肉モデルを表示できるようになった。

 Virtual Anatomiaは,人体モデルを立体的に表示するソフトウエア。日本SGIと,東京慈恵医科大学(慈恵医大)高次元医用画像工学研究所の鈴木直樹教授(写真1)の研究グループが共同開発した。内臓,血管,骨格などの人体を構成する要素を自由な角度から観察できるほか,人体を好きな位置で輪切りにして断面の様子を見ることができる。静止している状態だけでなく,骨格モデルについては歩いている様子を見ることも可能(写真2)。

 人体モデルの心臓は常に15フレーム/秒のアニメーションによって拍動しており,まるで生きているかのように見える。「拍動に伴う,心臓の動的変化を四次元表示している」(鈴木教授)。これらのコンテンツは,健康な20代女性1名を被験者として,MRIで計測した生体データと,全身運動のモーション・キャプチャ・データを基に作成した。

 今回発表したVer.1.5では,Ver.1.0の内臓,血管,骨格のモデルに加えて,新たに筋肉(骨格筋の)モデルが表示できるようになった(写真3)。筋肉モデルが追加されたことにより,スポーツ科学や介護器具の研究分野へも用途が拡大したという。

 Virtual Anatomia Ver.1.5の標準価格は135万7000円(税別)。教育機関向けには,95万円(税別)というアカデミック価格を用意する。Windows XPおよびWindows VistaのDirectX環境で利用できる。