写真1●全方位から浸水を防ぐ構造
写真1●全方位から浸水を防ぐ構造
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●本体下部のリーダーでタグを読み取る
写真2●本体下部のリーダーでタグを読み取る
[画像のクリックで拡大表示]

 パナソニックは2008年11月6日、医療現場向けタブレット型モバイルPC「TOUGHBOOK(タフブック)CF-H1」を発表した。消毒薬に対する耐性の向上、持ち運び用のハンドル装備など、医療現場で利用することを想定した仕様になっている。09年3月10日に出荷する予定。

 タフブック CF-H1は、同社の堅牢性の高いノートパソコンブランド「タフブック」シリーズの製品。衝撃に強い、長時間駆動バッテリ内蔵といったシリーズの特徴に加え、医療現場向けの特徴を備える。表面にはアルコールなど消毒薬による拭き取りでも腐食しにくい材質を採用。きょう体材料にも耐薬品樹脂を採用して衝撃や腐食から本体を保護する。上部にハンドルを装備し、ナースステーションやベッドサイドなど様々な場所への持ち運びを容易にした。

 同製品はインテルのヘルスケア向けプラットフォーム「Mobile Clinical Assistant(MCA)」を基盤にパナソニックがインテルの技術協力を得て商品化した。Wi-FiやBluetoothなどの無線通信が可能なほか、RFIDリーダーやバーコードリーダーの機能を内蔵する。こうした機能を活用し、投薬前に患者と医薬品のタグを照合する仕組みを作れば、投薬ミスの防止につながる。

 タフブック CF-H1開発の背景には、看護師の不足、看護師の管理業務増加などがある。モバイルPCと電子カルテが合わせて普及することで、医局やナースステーションに戻ることなく、患者情報へアクセスしたり看護業務を記録したりすることが可能になる。

 価格はオープンだが、市場参考価格は26万円(同社広報)。12年までに10万台の売り上げ、医療業界向けモバイルPCの市場でシェアトップを目指す。