テレビ朝日の君和田正夫社長は,2008年11月6日に開催した2008年度中間決算の説明会において,今後の番組制作費の使い方を慎重に判断する方針を示した。「番組制作費の増加と株主への配当のどちらに重きを置くのか」という質問を受けて君和田社長は,「広告市況が悪いなかで番組制作費を増やすのは難しい」としながら,「視聴者のテレビ離れによってメディアとしての影響力が落ちており,(放送事業者は)コンテンツ強化と向き合わなければならない」と述べた。番組制作費を増やすか減らすかについては,「ギリギリの経営判断を行う局面が続く」という認識を示した。

 視聴者のテレビ離れが起こっている背景については,「どこも似たような番組を放送しているという指摘がある」とした。さらにテレビ朝日が2008年11月3日に新たな報道情報番組「報道発 ドキュメンタリ宣言」の放送を開始したことを挙げて,「ドキュメンタリーはNHKやBBCの専売特許のような形になっていたが,我々も工夫次第でできるのではないかと考えてチャレンジを開始した」と述べた。